法律

不動産の価値を決める評価額を徹底解説

不動産の価値を決める評価額を徹底解説

不動産の質問

先生、「不動産評価額」ってよく聞くんですけど、どんなものですか?

不動産の専門家

良い質問ですね!「不動産評価額」は、簡単に言うと、土地や建物の税金を計算するときに基準となる値段のことです。

不動産の質問

税金の基準になる値段…ってことは、実際に売買されている値段と同じではないんですか?

不動産の専門家

鋭いですね! 実は、「不動産評価額」には、実際に売買されている値段を参考にしたり、法律で決められた計算方法で決めたりするものなど、いくつかの種類があるんです。

不動産評価額とは。

「不動産評価額」とは、土地や建物といった不動産に、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、相続税などを計算する際に基準となる価値のことです。この評価額には、実際の取引価格、公に示された土地の価格、相続税を計算するための評価額、固定資産税を計算するための評価額、専門家による鑑定で決められる評価額の5種類があります。

不動産評価額とは

不動産評価額とは

– 不動産評価額とは

不動産評価額とは、その不動産が持つ経済的な価値を金額で表したものです。

私たちが普段生活する中で、土地や建物といった不動産は、それぞれ形状や立地、築年数などが異なり、一物一価であるため、一概に価値を判断することは容易ではありません。そこで、不動産の価値を測る共通の物差しとして、不動産評価額が使われています。

この不動産評価額は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、相続税など、不動産に関する様々な税金を計算する際の基準となります。つまり、不動産評価額が高くなれば、支払う税金の額も多くなる可能性があり、私たちの生活に大きな影響を与える要素の一つと言えるでしょう。

また、不動産評価額は、税金以外にも、不動産を売買したり、賃貸借契約を結んだりする際、価格交渉の目安として活用されることがあります。さらに、金融機関が融資を行う際の担保評価など、不動産に関わる様々な場面で重要な役割を担っています。

項目 内容
不動産評価額の定義 不動産が持つ経済的な価値を金額で表したもの
不動産評価額の役割
  • 固定資産税、都市計画税、不動産取得税、相続税など、不動産に関する様々な税金を計算する際の基準
  • 不動産の売買や賃貸借契約時の価格交渉の目安
  • 金融機関が融資を行う際の担保評価

評価額の種類

評価額の種類

– 評価額の種類不動産の価値を示す評価額には、算出方法や目的の違いから大きく分けて五つの種類があります。一つ目は、実際に市場で売買された価格である「実勢価格(時価)」です。これは需要と供給の関係をそのまま反映した価格であり、不動産取引の際の最も基本的な指標となります。二つ目は、国土交通省が毎年公表する「公示地価(基準地価)」です。これは、都市計画区域内の土地について、一平方メートルあたりの価格を算出したものです。主に土地取引の目安や公共事業の補償金の算定などに利用されます。三つ目は、相続が発生した場合に、相続税を計算する際に用いられる「相続税評価額」です。相続税法に基づいた独自の評価方法があり、一般的に実勢価格よりも低い評価額となる傾向があります。四つ目は、毎年課税される固定資産税の算出根拠となる「固定資産税評価額」です。市町村が評価を行い、三年ごとに評価替えが行われます。評価額は実勢価格よりも低く設定されることが一般的です。そして五つ目は、不動産鑑定士が専門的な知識や経験に基づき、客観的に評価を行う「鑑定評価額」です。不動産の売買や相続、担保などの際に、適正な価格を判断するために利用されます。これらの評価額は、それぞれ算出根拠や目的が異なるため、同じ不動産であっても評価額が異なる場合があります。例えば、実勢価格は市場の動向に影響を受けやすく変動しやすい一方で、公示地価は一定の基準に基づいて評価されるため、実勢価格よりも低い傾向にあります。不動産の取引や評価を行う際には、これらの違いを理解しておくことが重要です。

評価額の種類 説明 算出方法・特徴 用途
実勢価格(時価) 実際に市場で売買された価格 需要と供給の関係を反映 不動産取引の際の最も基本的な指標
公示地価(基準地価) 国土交通省が毎年公表する土地の価格 都市計画区域内の土地について、一平方メートルあたりの価格を算出 土地取引の目安や公共事業の補償金の算定
相続税評価額 相続が発生した場合に、相続税を計算する際に用いられる価格 相続税法に基づいた独自の評価方法があり、一般的に実勢価格よりも低い 相続税の算定
固定資産税評価額 毎年課税される固定資産税の算出根拠となる価格 市町村が評価を行い、三年ごとに評価替え。実勢価格よりも低いことが一般的 固定資産税の算定
鑑定評価額 不動産鑑定士が専門的な知識や経験に基づき、客観的に評価を行う価格 不動産鑑定士による評価 不動産の売買や相続、担保などの際に、適正な価格を判断

実勢価格(時価)

実勢価格(時価)

– 実勢価格(時価)

実勢価格とは、不動産が実際に市場で取引されている価格を指します。

不動産は、同じものが二つと存在しないため、一つひとつに異なる価値があります。そのため、需要と供給のバランスによって価格が変動しやすいという特徴があります。

例えば、人気のある地域や駅に近い物件は需要が高いため、実勢価格が上昇する傾向があります。反対に、人口減少が進む地域や駅から遠い物件は需要が低迷し、実勢価格が下落する可能性があります。

実勢価格は、不動産ポータルサイトや不動産会社の情報などを参考に算出されます。これらの情報源では、過去の取引事例や現在販売中の物件の価格などが掲載されています。しかし、これらの情報はあくまでも参考値であり、実際に取引が成立した価格ではないため注意が必要です。

実勢価格を正確に把握するためには、不動産会社に査定を依頼するのが有効です。不動産会社は、豊富な取引経験や専門知識に基づいて、対象となる不動産の状況や市場動向を考慮し、より精度の高い査定額を算出します。

不動産の売買を検討する際には、実勢価格を把握することが重要です。実勢価格を理解することで、適正な価格での取引が可能となり、後々トラブルになることを防ぐことができます。

項目 内容
実勢価格とは 不動産が実際に市場で取引されている価格
特徴 – 不動産はそれぞれ異なる価値を持つため、需要と供給のバランスで価格が変動しやすい
– 人気エリアや駅近物件は価格上昇傾向、人口減少地域や駅遠物件は価格下落の可能性あり
情報源 – 不動産ポータルサイト、不動産会社の情報
– (過去の取引事例、現在販売中の物件価格など)
– ※あくまでも参考値であり、実際の取引価格ではないことに注意
正確な把握方法 不動産会社に査定を依頼
– 不動産会社は豊富な経験と専門知識に基づき、対象不動産の状況や市場動向を考慮して精度の高い査定額を算出
重要性 – 不動産の売買を検討する際、実勢価格の把握は重要
– 適正価格での取引を可能にし、トラブル防止につながる

公示地価と基準地価

公示地価と基準地価

– 公示地価と基準地価公示地価と基準地価は、どちらも土地の価格を示す指標ですが、評価主体や評価時点、目的が異なります。公示地価は、国土交通省が毎年1月1日時点の土地の価格を評価し、公表するものです。これは、都市計画や土地取引の指標となるように、主要都市部を中心に約2万6千地点を選定し、評価を行っています。公示地価は、都市計画や税制の基礎資料、公共事業用地の取得価格の算定、不動産鑑定の参考など、幅広く活用されます。一方、基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点の土地の価格を評価し、公表するものです。こちらは、各都道府県が都市計画区域内を中心に約3万地点を選定し、評価を行っています。基準地価は、固定資産税や相続税などの土地に関する税金の算定根拠、公共事業用地の取得価格の算定などに利用されます。公示地価と基準地価は、どちらも一般的に実勢価格よりも低い傾向にあります。これは、公示地価や基準地価は、個々の土地の形状や条件を完全に反映したものではなく、標準的な価格を評価しているためです。また、評価時点と実際の取引時点に時間差があることや、市場の動向を反映しにくいことも、実勢価格との乖離が生じる要因となっています。土地の価格を把握する際には、公示地価や基準地価を参考にしながら、不動産会社に相談するなどして、より詳細な情報を得ることが重要です。

項目 公示地価 基準地価
評価主体 国土交通省 都道府県
評価時点 毎年1月1日 毎年7月1日
評価地点 主要都市部を中心に約2万6千地点 都市計画区域内を中心に約3万地点
目的・用途 – 都市計画や土地取引の指標
– 税制の基礎資料
– 公共事業用地の取得価格の算定
– 不動産鑑定の参考
– 固定資産税や相続税などの算定根拠
– 公共事業用地の取得価格の算定

相続税評価額と固定資産税評価額

相続税評価額と固定資産税評価額

– 相続税評価額と固定資産税評価額不動産を相続した際、あるいは不動産を所有している場合、「相続税評価額」と「固定資産税評価額」という言葉を耳にすることがあるでしょう。これらはどちらも、税金を計算するために不動産の価値を評価した金額を指しますが、評価方法や目的が異なります。相続税評価額とは、その名の通り相続税を計算する際に用いられる評価額です。相続が発生した場合、亡くなった方が所有していた財産に相続税が課せられます。その際、土地や建物などの不動産は、相続税法に基づいて評価され、この評価額をもとに相続税が計算されます。相続税評価額は、一般的に売買価格として認識されている実勢価格よりも低い傾向にあります。一方、固定資産税評価額は、毎年課税される固定資産税の算出に用いられる評価額です。固定資産税は、毎年1月1日時点の土地や建物の所有者に対して課税されます。市町村が評価を担当し、評価額は3年に一度見直されます。こちらも実勢価格よりも低い傾向にありますが、相続税評価額と比べると、実勢価格に近い金額で評価されることが多いです。相続税評価額と固定資産税評価額は、どちらも税金を計算する上で重要な役割を果たす評価額ですが、評価方法や目的が異なるため、同じ不動産であっても評価額が異なる場合がある点は注意が必要です。不動産の評価額について疑問があれば、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

項目 相続税評価額 固定資産税評価額
用途 相続税の算出 固定資産税の算出
評価主体 税務署 市町村
評価時期 相続発生時 毎年1月1日時点
評価額の見直し 3年に一度
実勢価格との関係 実勢価格より低い傾向 実勢価格より低いが、相続税評価額よりは高い傾向

鑑定評価額

鑑定評価額

– 鑑定評価額

不動産を売却したり、相続したりする際には、その価値を正確に把握することが重要になります。しかし、不動産はそれぞれ立地や状態が異なり、一律の価格で取引されるわけではありません。そこで、不動産の客観的な価値を判断するために用いられるのが「鑑定評価額」です。

鑑定評価額は、国家資格を持つ不動産鑑定士が、専門的な知識や豊富な経験に基づいて算出します。土地や建物の状況、周辺環境、市場動向などを総合的に調査し、不動産の経済価値を客観的に評価します。そのため、売主や買主の感情や思惑などが入り込む余地がなく、最も信頼性の高い評価額と言えるでしょう。

鑑定評価額は、不動産の売買時だけでなく、相続税や固定資産税の算定、抵当銀行の融資審査、裁判の資料など、様々な場面で重要な役割を担います。

もし、不動産の売却や相続などを検討されている場合は、一度、不動産鑑定士に相談してみるのも良いかもしれません。

項目 内容
鑑定評価額とは 不動産鑑定士が、専門知識と経験に基づき、不動産の経済価値を客観的に評価した価格
算出方法 土地や建物の状況、周辺環境、市場動向などを総合的に調査し算出
特徴 売主や買主の感情や思惑が入り込まない、信頼性の高い評価額
活用場面 不動産の売買、相続税や固定資産税の算定、抵当銀行の融資審査、裁判の資料など