和室の機能美！板畳の魅力を解説

和室の機能美！板畳の魅力を解説

板畳とは

– 板畳とは和室の床といえば、畳を敷き詰めた空間を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、伝統的な和室の中には、畳ではなく板張りの床を部分的に採用した部屋も存在します。これが「板畳」です。板畳とは、部屋全体を畳敷きにするのではなく、一部に板を用いた床を設けた構造のことを指します。畳敷きの空間に、板張りのスペースがアクセントとして設けられている様子を想像してみてください。板畳の特徴として、部屋全体を占めることはなく、限定的な広さに留められる点が挙げられます。これは、部屋全体の雰囲気を損なうことなく、板張りの持つすっきりとした印象や機能性を部分的に取り入れるための工夫といえるでしょう。もし、板張りの部分が部屋の大部分を占めるような場合は、板畳とは呼ばず、「板の間」や「板敷き」といった別の名称で呼ばれるのが一般的です。このように、和室の床材は、部屋の用途や雰囲気に合わせて、畳と板を巧みに組み合わせることで、多様なバリエーションを生み出してきた歴史があります。

板畳の役割：見た目の美しさ

畳敷きの部屋に変化をもたらすものとして、板畳があります。
板畳は、空間に変化を与え、メリハリを生み出す効果があります。
畳本来の温かみのある雰囲気と、板張りが持つすっきりとした印象が組み合わさり、空間に奥行きとリズム感が生まれます。
このコントラストが、洗練された雰囲気を演出してくれるのです。

また、板畳の魅力はその見た目の美しさだけにとどまりません。
使用する木材の種類や色合いによって、部屋全体の雰囲気を調整することも可能です。
例えば、明るい色の木材を選べば、部屋全体が広く明るく感じられます。
一方、濃い色の木材を選べば、落ち着いた重厚感のある空間になるでしょう。
このように、板畳は見た目の美しさだけでなく、空間全体の雰囲気を調整する効果も期待できるのです。

板畳の役割：機能性

日本の住まいにおいて馴染み深い畳。その中でも、板の間に畳を敷き詰めた「板畳」は、見た目の美しさに加え、機能面でも多くの利点があります。

畳は、天然素材ならではの温かみや肌触りの良さが魅力ですが、重いものを置くとへこんでしまうという側面もあります。タンスや本棚など、重量のある家具を置く場所には、板畳を敷くことで畳への負担を軽減し、傷みを防ぐ効果が期待できます。

また、生活していく中で、畳が部分的に傷んでしまうこともあるでしょう。その際、従来の畳であれば、張替えが必要となる場合もありますが、板畳であれば、傷んだ部分だけを交換することが可能です。これにより、メンテナンスの手間や費用を抑えることができます。

さらに、板の間と畳の組み合わせは、空間に変化を与え、部屋全体にメリハリを生み出す効果もあります。例えば、リビングの一角に板畳を設けることで、畳の空間とフローリングの空間が生まれ、用途に合わせて空間を使い分けることができます。

板畳の配置場所

板畳は、その丈夫さから、畳の上に重い物を置く場合の下地としてよく用いられます。例えば、タンスや本棚、食器棚などを置く場所の下地にすれば、畳に直接重さがかかるのを防ぎ、傷やへこみを防ぐ効果があります。 また、重い家具を置いた場合でも、板畳の下に空間ができるため、湿気がこもりにくく、畳の寿命を延ばすことにも繋がります。床の間の前に板畳を敷くのも、昔からの知恵です。床の間は、本来は畳敷きの場合も多いですが、花瓶や掛け軸などを飾る際に、万が一水がこぼれたり、傷が付いたりするのを防ぐために、板畳が用いられるようになりました。板畳は、水や傷に強く、汚れも簡単に拭き取ることができるため、美術品や骨董品などを飾るのに最適な場所を作ることができます。近年では、和室と洋室の間に板畳を敷き、空間に変化をつける使い方も増えています。畳とフローリングという異なる素材や雰囲気の空間を、板畳が緩やかに繋ぎ、空間に一体感を生み出します。また、板畳の部分を少し高くすることで、空間にメリハリをつけ、それぞれの空間をより際立たせることもできます。さらに、板畳の上に座布団を敷けば、腰掛けたり、足を伸ばしたりと、くつろぎの空間としても活用できます。

まとめ

日本の住まいには、古くから愛されてきた伝統的な様式があります。その中でも、畳の部屋である和室は、独特の落ち着きと温かみをたたえています。近年、この和室の良さを残しつつ、現代のライフスタイルにも合わせた空間作りが注目されています。その一つとして人気を集めているのが、畳と板を組み合わせた「板畳」です。

板畳は、畳の持つ柔らかな肌触りや調湿効果といった機能性はそのままに、板の強度とモダンな雰囲気を兼ね備えています。従来の畳の部屋では難しかった、椅子やテーブルを置く生活スタイルにも対応できるため、和室の用途を大きく広げることが可能になりました。

また、板畳は素材や色の組み合わせによって、様々な表情を見せてくれます。畳本来のい草の風合いを生かしたナチュラルな空間はもちろん、木材と組み合わせることで、和モダンな洗練された雰囲気を演出することもできます。さらに、部分的に板畳を取り入れることで、空間にメリハリが生まれ、広々とした印象を与えることも可能です。

このように、板畳は、日本の伝統的な美意識と現代の機能性を融合させた、まさに和の空間の進化形と言えるでしょう。