屋根材の定番！スレート葺きのメリット・デメリットを解説

屋根材の定番！スレート葺きのメリット・デメリットを解説

スレート葺きとは

– スレート葺きとはスレート葺きとは、薄く板状に加工したスレートを屋根材として使用する工法のことです。 スレートには、天然の粘板岩から作られる天然スレートと、セメントと繊維を混ぜて人工的に製造された人工スレートの二種類があります。日本では、人工スレートが主流です。人工スレートは、その多くが石綿（アスベスト）を含んでおり、「石綿スレート」と呼ばれることもあります。 スレート葺きは、1970年代から2000年代半ばにかけて、日本の住宅屋根材の主流として普及しました。 耐久性や耐火性に優れていること、瓦屋根に比べて軽量であること、そして比較的安価であることが、その理由として挙げられます。そのため、多くの住宅でスレート葺きの屋根を見ることができました。しかし、近年では、石綿（アスベスト）の健康被害が問題視されるようになり、石綿を含まない新しい屋根材が登場したこともあり、 新築住宅でスレート葺きが採用されることは少なくなりました。それでも、現在もなお、多くの住宅でスレート葺きの屋根が使われています。そのため、スレート葺きの屋根のメンテナンスや葺き替えなどの需要は、今後も一定数存在すると考えられています。

スレート葺きのメリット

– スレート葺きのメリットスレート葺きは、近年注目を集めている屋根材の一つです。他の屋根材と比較して、軽量でありながら耐久性に優れている点が大きなメリットとして挙げられます。例えば、一般的な瓦屋根と比較した場合、スレート葺きの屋根は格段に軽量です。そのため、建物全体への負担が軽減され、耐震性の向上に繋がります。地震が多い日本では、建物の耐震性を高めることは非常に重要です。また、スレートは耐火性や耐水性にも優れています。火災が発生した場合でも、スレート屋根は燃えにくいため、被害を最小限に抑えることができます。また、雨漏りなどのリスクも低減できます。さらに、スレートはデザイン面でも魅力的です。塗装によって様々な色やデザインに仕上げることができ、建物の外観デザインの自由度を高めることができます。個性的な住宅を希望する方や、周囲の景観に合わせた住宅を建築したい方にも最適です。このように、スレート葺きは数多くのメリットを持つ屋根材です。新築やリフォームを検討する際には、スレート葺きも選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

スレート葺きのデメリット

– スレート葺きの屋根の落とし穴

スレート葺きの屋根は、その落ち着いた雰囲気と風格から、多くの住宅で採用されてきました。しかし、スレート葺きには、いくつかの知っておくべきデメリットが存在します。

まず、スレートは非常に割れやすい素材であるという点が挙げられます。スレートは天然石を薄く加工して作られているため、衝撃や荷重に弱く、割れが生じやすいという特徴があります。例えば、屋根の点検や修理などで人が屋根に上る際には、スレートを踏み外してしまったり、工具を落としてしまったりするなど、ちょっとした不注意で簡単に割れてしまうことがあります。そのため、スレート葺きの屋根に上る際には、細心の注意を払う必要があります。

また、スレートは、時間の経過とともに表面にコケや藻が発生しやすくなるという点もデメリットとして挙げられます。これは、スレートの表面が水分を吸収しやすく、コケや藻の生育に適した環境になってしまうためです。コケや藻の発生は、屋根材の劣化を早めるだけでなく、住宅全体の美観を損なう原因にもなります。定期的な清掃や、専門業者によるメンテナンスが必要となる場合もあり、維持管理に手間と費用がかかる可能性があります。

天然スレートと人工スレートの違い

– 天然スレートと人工スレートの違い天然スレートは、長い年月をかけて自然に作られた粘板岩から作られる屋根材です。独特の風合いと美しさを持ち、高級住宅や歴史的建造物などに使用されています。最大の特長は、その耐久性の高さです。風雨や紫外線に強く、適切にメンテナンスを行えば100年以上の寿命を持つと言われています。そのため、長期的な視点で見ると、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。しかし、天然素材であるがゆえに価格が高く、施工にも熟練の技術が必要となります。一方、人工スレートは、セメントや繊維質を主な原料とし、天然スレートの風合いを再現した屋根材です。天然スレートに比べて安価で、施工がしやすいというメリットがあります。また、近年では技術の進歩により、黒やグレーなど定番の色だけでなく、ブルーやグリーンなど多彩なカラーバリエーションが登場しています。そのため、住宅のデザインに合わせて、屋根の色を選ぶことが可能です。しかし、天然スレートに比べると耐久性は劣り、30年から50年程度が寿命と言われています。このように、天然スレートと人工スレートは、それぞれにメリットとデメリットがあります。住宅の屋根材を選ぶ際には、予算やデザイン、耐久性などを考慮し、どちらの素材が適しているかを慎重に検討する必要があります。

スレート葺き屋根のメンテナンス

– スレート葺き屋根のメンテナンススレート葺き屋根は、その耐久性と美しい外観から、多くの住宅で採用されています。しかし、どんなに丈夫な屋根材でも、風雨や紫外線にさらされ続けることで劣化は避けられません。長く安全に住み続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。スレート葺き屋根のメンテナンスで特に重要なのは、屋根の点検です。屋根に上って、スレートの状態を細かくチェックします。スレートに割れや欠けがないか、棟板と呼ばれる屋根の頂上部分や、谷板と呼ばれる屋根の傾斜が変わる部分に腐食がないかなどを調べます。小さな損傷を見逃すと、雨漏りなどの大きな問題に発展する可能性があります。また、屋根の清掃も大切です。長い間放置すると、コケや藻、落ち葉や埃などが堆積し、美観を損ねるだけでなく、スレートの劣化を早める原因になります。高圧洗浄機などを使い、屋根の表面を綺麗さっぱりと洗い流し、乾燥させます。ただし、高圧洗浄機を誤って使用すると、スレートを傷つけてしまう可能性があるので、専門業者に依頼する方が安心です。さらに、屋根の塗装も効果的です。スレートの表面に塗料を塗ることで、風雨や紫外線から屋根材を守り、防水性や耐久性を高めることができます。また、色褪せや汚れを防ぎ、建物の外観を美しく保つ効果もあります。一般的に、10年に一度を目安に塗装を行うと良いでしょう。これらのメンテナンスは、ご自身で行うことも可能ですが、高所作業となるため危険が伴います。専門的な知識や技術も必要となるため、専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者は、屋根の状態を的確に診断し、適切なメンテナンス方法を提案してくれます。定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、スレート葺き屋根を長持ちさせ、安全で快適な住まいを維持しましょう。