不動産用語解説：中破ってどんな状態？

不動産用語解説：中破ってどんな状態？

建物の被害を表す言葉

大きな地震や台風などの自然災害が発生した後に、ニュースなどで「住宅〇〇棟が中破」といった被害状況を目にすることがあります。建物の損傷状態を表す言葉として、「一部破損」や「全壊」といった表現も耳にすることがあります。このような表現は、被害状況をすぐに伝えるためには有効ですが、あくまでも大まかな表現です。実際には、建物の被害状況は、その程度に応じて細かく分類されています。

建物の被害を分類する際には、主に損傷の程度と範囲を基準にします。例えば、損傷の程度が軽微な場合は「軽度」、壁や柱などに損傷が見られる場合は「中程度」、建物全体が大きく傾いたり倒壊の危険がある場合は「重大」といったように分類されます。また、損傷範囲についても、一部にとどまる場合は「限定的」、広範囲にわたる場合は「広範囲」といったように分類されます。

このような被害状況を示す情報と合わせて、具体的な被害の状況を伝えるために、「外壁のひび割れ」、「屋根の破損」、「内装の損傷」といった具体的な被害内容も併せて伝えられます。これらの情報によって、被災した建物の状況をより詳しく把握することができます。

建物の被害に関する情報は、被災状況の把握だけでなく、今後の復旧活動や支援活動にも役立ちます。建物の被害状況を正しく理解することは、安全な生活を送る上でも重要です。

被害の程度は５段階

日本で地震や台風などの自然災害が発生した際に、ニュースなどでよく耳にする「建物の被害状況」という言葉。被害状況は５段階で評価され、それぞれにどのような被害状況を指すのかを理解しておくことは、被害状況の深刻さを正しく理解する上で非常に大切です。

まず、最も軽度な被害である「軽微」は、建物にわずかな損傷が見られるものの、居住には全く問題がない状態を指します。壁紙にひびが入る、瓦が数枚剥がれるといった軽微な損傷がこの段階に当てはまります。続く「小破」は、壁や天井の一部に損傷が見られるものの、居住することは可能な状態です。ただし、損傷箇所によっては、修理が必要となる場合もあります。

「中破」になると、被害状況は深刻化し、建物の一部が損壊し、居住することが困難になります。柱や梁に歪みが生じる、壁に大きな亀裂が入るといった損傷がこの段階に当てはまり、安全確保のために補修工事が必要となります。さらに深刻な「大破」は、建物の大部分が損壊し、居住は不可能な状態です。倒壊の危険性も高く、建物の取り壊しも検討される段階です。そして、最終段階の「崩壊」は、建物全体が完全に倒壊している状態を指します。この段階になると、もはや建物の原形をとどめておらず、再建が必要となります。

このように、建物の被害状況は５段階で評価され、それぞれの段階に応じて、居住可能性や補修の必要性、費用などが大きく異なってきます。日頃から、これらの情報を頭に入れておくことで、いざという時に適切な判断を下せるように備えておきましょう。

中破とは

– 中破とは建物に被害が出た際、「一部損壊」「中破」「大破」「全壊」といった被害状況を示す言葉を耳にすることがあります。その中でも「中破」とは、建物に大きな損傷はあるものの、まだ完全に崩壊には至っていない状態を指します。
具体的には、住宅を支える柱や梁といった主要な構造部分に損傷が見られる状態を指します。外壁や屋根が大きく剥がれ落ちたり、室内では壁や天井が崩れ落ちていることもあります。窓ガラスが割れていたり、ドアが変形して開かなくなっていることも多く見られます。
中破と判断された場合、日常生活を送ることは非常に困難になります。建物自体が傾斜しているケースもあり、放っておくと倒壊の危険性も高まります。そのため、安全確保のためにも、住民は一時的に自宅を離れ、避難所や仮設住宅などでの生活を余儀なくされるケースがほとんどです。
中破の住宅は、損傷の程度によっては修理をして住み続けることが可能な場合もあります。しかし、大規模な修繕が必要となるため、多額の費用と時間がかかることを覚悟しなければなりません。場合によっては、取り壊して新築を建てる方が費用面や安全面でメリットがあるケースもあります。専門家の調査や診断に基づき、適切な判断を行うようにしましょう。

中破の判定基準

– 中破の判定基準

建物の損傷状態を表す「中破」は、一見すると被害の程度が分かりづらいものです。被害状況を正しく把握し、適切な対応を取るためには、専門家による詳細な調査が欠かせません。

中破の判定は、建物の構造体の損傷に焦点を当てて行われます。具体的には、壁や柱に生じたひび割れの幅や長さ、深さなどを細かく調べ、その程度を評価します。また、ひび割れが一部にとどまっているのか、広範囲にわたっているのかも重要な判断材料となります。

屋根の損傷状態も、中破を判断する上で重要な要素です。瓦の破損やずれ、雨漏りの有無などを確認し、屋根全体の損傷度合いを評価します。さらに、建物を支える基礎部分にも目を向け、地盤沈下や亀裂などがないかを調べます。

建物の外観だけでなく、内部の損傷状況も中破の判定基準となります。水道管やガス管などの配管設備に破損がないか、電気配線に異常がないかなどを確認します。

中破の判定は、見た目だけの判断ではなく、建物の構造的な安全性を専門家の目でしっかりと確認することが重要です。専門家の調査によって、初めて建物の被害状況を正確に把握し、適切な補修や改修計画を立てることができます。

中破の後の対応

地震などによって住居が中破と判定された場合、まずは落ち着いて自身の安全を最優先に行動しましょう。損傷した建物内には、余震などの危険性も残っているため、むやみに立ち入らず、専門家の指示に従ってください。消防や警察の指示があれば、速やかに従いましょう。

安全が確認された後、住宅の補修や再建に向けて動き出すことになります。まずは、市町村役場に被害状況を報告し、罹災証明書の発行手続きを行いましょう。同時に、加入している火災保険会社へも連絡し、保険金請求の手続きを進めます。

住宅の補修や再建には、専門の業者を選定する必要があります。複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較検討することが大切です。被災直後は悪徳業者も現れる可能性があるため、契約を急がず、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

被災後の混乱の中で、これらの手続きを円滑に進めるためには、日頃からの備えが重要です。防災グッズの準備はもちろんのこと、住宅の耐震性について確認したり、保険の内容を見直したりするなど、防災意識を高めておくことが大切です。