不動産業界用語「先物」を解説

不動産業界用語「先物」を解説

不動産業界用語「先物」とは

– 不動産業界用語「先物」とは不動産業界で頻繁に耳にする「先物」という言葉。一般的には、将来の特定の時期に、あらかじめ決めた価格で取引することを約束する商品取引を指しますが、不動産業界では異なる意味を持ちます。不動産業界における「先物」とは、不動産会社が売主から直接売却の依頼を受けた物件ではなく、他の不動産会社から紹介された物件のことを指します。 つまり、仲介役である不動産会社が、さらに別の不動産会社から仲介を受けている状態を指し、言わば「仲介の仲介」のような形で取引される物件のことです。具体例を見ていきましょう。A不動産会社がB不動産会社から紹介された物件があるとします。そして、顧客であるCさんが、A不動産会社を通してその物件を購入するとします。この場合、Cさんから見れば、物件を紹介してくれたのはA不動産会社です。しかし実際には、A不動産会社はB不動産会社から紹介を受けているため、Cさんが購入した物件は「先物」ということになります。「先物」という言葉は、一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、不動産業界では日常的に使用される専門用語の一つです。 不動産取引を行う際には、こうした業界特有の用語の意味を正しく理解しておくことが重要と言えるでしょう。

「先物」と「元付け」の違い

– 「先物」と「元付け」の違い

不動産売買の世界では、様々な専門用語が使われます。その中でも、「先物」と「元付け」は、不動産業者間で頻繁に飛び交う言葉ですが、一般の方にとっては耳慣れない言葉かもしれません。

簡単に言うと、「先物」とは、仲介業者から紹介された物件情報のことを指します。例えば、A不動産会社が顧客からマンション購入の依頼を受けたとします。A不動産会社が自社の保有する物件情報だけでは顧客の希望に合わない場合、他の不動産会社であるB不動産会社に対して、顧客の希望に合う物件情報を照会します。この時、A不動産会社にとってB不動産会社から紹介された物件情報は「先物」にあたります。

一方、「元付け」は、売主から直接売却を依頼された不動産会社、およびその物件のことを指します。先ほどの例で言えば、B不動産会社は売主から直接売却依頼を受けているため「元付け」となり、紹介を受けたA不動産会社にとってはB不動産会社が「元付け業者」、物件は「先物」となります。

このように、「先物」「元付け」は、どの不動産会社から見たかによって変わる相対的な用語と言えます。

「先物」物件を購入するメリット

「先物」物件は、まだ建築されていない、あるいは建築中の段階にある物件を指します。完成予想図や間取り図などを参考にしながら購入を検討することになるため、ある程度の想像力が必要です。しかし、その一方で、多くのメリットが存在します。

まず、「先物」物件は、完成した物件と比べて価格が低い傾向があります。これは、建築会社が資金調達のために早期に販売を行うことが多いためです。また、販売開始直後は多くの物件が市場に出回るため、選択肢が豊富である点も見逃せません。希望する間取りや階数、方角などをじっくりと比較検討し、納得のいく物件を選ぶことができます。

さらに、「先物」物件は、自分の好みに合わせたカスタマイズができる場合があります。壁紙や床材の色、キッチンの設備など、細部にわたる部分まで選択できる場合があり、自分だけの理想の住まいを実現することができます。ただし、カスタマイズの内容や可能な範囲は物件によって異なるため、事前に確認が必要です。

情報収集の面でも、「先物」物件はメリットがあります。複数の不動産会社が情報を共有しているため、効率的に物件を探すことができます。また、不動産会社は顧客獲得のために、積極的に情報提供や相談に応じてくれるでしょう。完成予想模型やバーチャルリアリティなどを活用した分かりやすい説明を受けられることも期待できます。

「先物」物件を購入する際の注意点

「先物」物件は、完成前に購入を決めるため、価格が割安になるなどのメリットがある一方、注意すべき点もいくつかあります。

まず、仲介手数料についてです。完成前の物件情報には、多くの不動産会社が関心を持ちます。そのため、複数の会社が仲介に入るケースが増え、結果として仲介手数料が高額になる可能性があります。購入を決める前に、総額でいくらかかるのか、内訳も含めてしっかりと確認することが重要です。

次に、情報確認についてです。複数の会社が介在することで、物件の状態や契約条件などの重要な情報が、正しく伝わらないケースも考えられます。広告や資料だけでなく、必ず「元付け」の不動産会社にも直接確認するなど、慎重に進めるようにしましょう。完成予想図や間取り図だけでなく、仕様書や契約書なども丁寧に確認することが大切です。