素材
建物を作るときに使われる材料として、私たちがよく目にする「鉄」。骨組みや階段、窓枠など、様々な場所で活躍していますね。日常会話ではこれらをまとめて「鉄」と呼ぶことが多いですが、実は建築現場で使われているのは「鋼」と呼ばれる素材である場合がほとんどです。
では、「鉄」と「鋼」は何が違うのでしょうか。「鉄」とは、天然から採掘される「鉄鉱石」を溶かして不純物を取り除いたものを指します。この「鉄」は柔らかく、そのままでは建築材料として使うには強度が不足しています。一方、「鋼」は鉄に炭素を混ぜることで強度や硬さを増したものです。炭素の量を調整することで、様々な性質を持つ鋼を作り出すことができます。
建築材料として求められるのは、強度や耐久性、加工のしやすさなど、様々な要素です。鋼は鉄よりも強度や硬度が高く、建築材料としてより適しているため、建築現場では鋼が多く用いられているのです。
普段何気なく見ている建物の「鉄」ですが、実は奥が深い「鋼」という素材が使われていることを知ると、建物を見る目も変わってくるかもしれませんね。
Read More
住宅建築の落とし穴?あて材による影響と対策
- あて材とは?
木は、太陽の光を求めて天に向かって成長します。しかし、山間部などの傾斜地で育つ木は、真っ直ぐ上に伸びようとする際に、自身の重力とのバランスを取る必要が生じます。その結果、幹の内部には常に偏った力がかかり続け、その力に耐えようとして、幹の一部の細胞組織が変化し、独特の性質を持つようになります。これが「あて材」です。
あて材は、木の成長過程で自然に形成されるものですが、通常の材と比べて強度や硬度、乾燥後の収縮率などが大きく異なるため、建築材料として使用する場合には注意が必要です。例えば、乾燥すると大きく収縮したり、割れやすい性質があるため、構造材として使用するには不向きとされています。また、あて材は見た目だけでは判断が難しく、通常の材と見分けがつきにくいという特徴があります。そのため、知らず知らずのうちに住宅に使用されているケースもあるようです。
あて材の存在は、木の成長の力強さを物語ると同時に、木材を扱う際には、その特性をよく理解しておくことの重要性を示しています。
Read More