過去の地震の大きさを知る「激震」とは？

過去の地震の大きさを知る「激震」とは？

かつての最大震度「激震」

地震が多い日本では、地震の揺れの強さを示すために「震度」という尺度がよく使われています。かつて、気象庁は最も激しい地震の揺れを表現する際に「激震」という言葉を使っていました。「激震」は、建物の３割以上が倒壊してしまうほどの凄まじい揺れのことです。激震に見舞われると、山が崩れ落ちたり、地面が大きく裂けたり、断層が現れたりと、私たちの生活にとって深刻な被害が発生します。

「激震」は、1949年から1960年までの期間、気象庁によって震度7を表す言葉として使用されていました。当時の震度は、体感や被害状況に基づいて、０から７までの８段階で評価されていました。しかし、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、震度階級はより客観的な基準で評価される必要性が浮上しました。

そこで、1996年10月からは震度５と震度６がそれぞれ弱と強に分けられ、従来の「激震」は「震度７」と表現されるようになりました。震度７は、計測震度計を用いて計測した値に基づいて決定され、これまでの体感や被害状況による評価よりも、より正確で客観的なものとなっています。この変更により、地震の規模や被害状況をより的確に把握できるようになり、防災対策の強化にも役立っています。

「激震」が使われていた時代の震度階級

かつて、地震の揺れの大きさを表す尺度として「震度」が使われていましたが、1949年より導入された気象庁の旧震度階級では、全部で8段階の階級が存在していました。最も揺れが小さいものから順に、「無感」「微震」「軽震」「弱震」「中震」「強震」「烈震」と段階が上がり、そして最高ランクの震度として「激震」が位置付けられていました。
それぞれの震度階級は、体感や建物への影響度合いによって定義づけられていました。「激震」は、この旧震度階級において最高ランクに位置付けられていたことから、人々が立っていることすら困難なほどの、壊滅的な被害をもたらすほどの揺れを意味していました。その後、1996年10月からは、現在使用されている震度階級に改定され、旧震度階級は廃止されました。現在の震度階級では、震度5と震度6がそれぞれ「弱」「強」に分割され、全部で10段階で表現されるようになりました。また、旧震度階級では「体感」による表現が多用されていましたが、現在の震度階級では、より客観的な指標に基づいた表現に改められています。

現在の震度階級と「激震」

1996年、気象庁はそれまで使われていた震度階級を改定し、現在の10段階の表示方法に変更しました。以前は震度0から震度7までの8段階で地震の揺れの強さを表していましたが、この改定により震度5と震度6にそれぞれ「弱」と「強」が追加されました。
現在の震度階級は、震度0、震度1、震度2、震度3、震度4、震度5弱、震度5強、震度6弱、震度6強、震度7と、より細かく区分されています。震度7が最も大きく、揺れが激しい段階です。
この改定以前は、「激震」という言葉が使われていました。これは、当時の報道や記録の中で、特に大きな揺れを伝える際に使われていた表現です。現在の震度階級ではこの「激震」という言葉は使われていませんが、当時の資料などから、「激震」は現在の震度7に相当する揺れの強さであったと考えられています。

「激震」が物語る地震の脅威

「激震」という言葉は、過去の地震がどれほどの恐怖と破壊をもたらしたかを雄弁に物語っています。大地が揺れ動き、建物が崩壊し、人々の生活は一瞬にして瓦礫の下に埋もれてしまう。そのような未曾有の災害が、この国では決して他人事ではないことを、「激震」という言葉は私たちに突きつけているのです。過去の地震は、私たちの社会がいかに地震に対して脆弱であり、そしてその脅威を忘れてはならないかを教えてくれます。

近年、建築技術の進歩や耐震基準の強化、さらには防災意識の向上により、地震への備えは着実に進んでいます。しかし、だからといって地震の脅威が消え去ったわけではありません。ひとたび大地震が発生すれば、私たちの想像をはるかに超える被害が発生する可能性は依然として否定できないのです。過去の「激震」から得た教訓を風化させることなく、日頃から家具の固定や非常持ち出し袋の準備、避難経路の確認など、できる限りの備えをしておくことが重要です。さらに、地域住民との連携を密にし、共助の精神で防災活動に取り組むことも大切です。私たちは「激震」の記憶を未来へ語り継ぎ、安全な社会を築き上げていかなければなりません。