不動産取引における「竣工」とは?

不動産の質問
「竣工」って、工事が全部終わった時ってことですよね?

不動産の専門家
そうだよ! 大きな建物から道路や橋などの工事でも、工事が全て終わったら「竣工」って使うんだ。

不動産の質問
じゃあ、工事の途中で「竣工」って使ったりしないんですか?

不動産の専門家
いいところに気がついたね! 「竣工」は工事が完全に終わっていないと使わないんだ。工事が終わるまでは「工事中」とか、完成に近い場合は「竣工間近」のように表現するよ。
竣工とは。
「竣工」は、建物や道路などの工事が終わったことを表す言葉です。「落成」や「完工」ともいいます。反対に工事を始めることは「着工」や「起工」といいます。工事がほとんど終わると、工事の関係者と建物を建てた人が立ち会って、竣工検査を行います。その後、決められた検査機関や建築主事による完了検査が行われ、問題ないと判断されると検査済証が発行され、建物が使えるようになります。
「竣工」の意味

– 「竣工」の意味とは?
建物を建てたり、道路や橋などの土木工事をしたりする際には、まず設計図を作成します。そして、その設計図通りに工事が進められ、最終的に全てが完成した状態を「竣工」と言います。
「竣工」は、単に工事が終わったというだけではありません。関係する法律や条例に基づいた検査を受け、建物や施設が使用できる状態であると認められることが必要です。この検査に合格すると、晴れて使用許可が下り、「竣工」となります。
「竣工」は、不動産取引において非常に重要な意味を持ちます。なぜなら、不動産の売買契約書には、通常、引き渡し時期として「竣工日」が明記されるからです。つまり、「竣工」した日を境に、買主は物件の所有権を取得し、売主は代金を受け取ることになるのです。
例えば、マンションを購入する場合、「竣工」前に契約を結ぶことがあります。その場合、契約書には「竣工予定日」が記載され、その日に建物の完成と引き渡しが行われる予定となります。しかし、天候などの影響で工事が遅延し、「竣工予定日」に工事が終わらない場合もあります。このような場合、「竣工」が遅れたことにより、買主は入居が遅れてしまうなど、不利益を被る可能性があります。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 竣工の意味 | 設計図通りに工事が完了し、関係法令に基づく検査に合格して使用許可が下りた状態 |
| 竣工の重要性 | 不動産取引において、物件の所有権が売主から買主に移転し、代金の支払いが行われる重要なポイントとなるため |
| 竣工と不動産売買契約 | 売買契約書には、引き渡し時期として「竣工日」または「竣工予定日」が明記される |
| 竣工遅延のリスク | 天候などの影響で工事が遅延した場合、買主は入居が遅れるなど、不利益を被る可能性がある |
竣工と関連する用語

– 竣工と関連する用語
建物を建てる際、よく耳にする「竣工」という言葉。
実は、この竣工には、深く関連する工程や手続きが存在します。
ここでは、竣工と特に関連性の高い「着工」と「検査」について詳しく見ていきましょう。
まず「着工」とは、文字通り工事を開始することを指します。
一般的には、建物の基礎となる基礎工事が始まった時点を着工と考えます。
この着工を合図に、本格的な建築活動がスタートするのです。
一方、「検査」は、工事が全て完了した後に行われる重要な手続きです。
関係法令に基づき、工事が適切に行われたか、
安全性が確保されているかを厳しくチェックします。
検査には、
建築基準法に基づく「中間検査」や「完了検査」、
消防法に基づく「消防検査」など、様々な種類があります。
これらの検査は、ただ単に書類を確認するだけでなく、
実際に建物を確認して行われます。
例えば、
「中間検査」では、建物の骨組みが完成した段階で、
強度や構造に問題がないかを検査します。
また、「完了検査」は、建物が全て完成した段階で行われ、
設計図通りに工事が行われているか、
設備が正常に機能するかなどを細かくチェックします。
そして「消防検査」では、
火災発生時の安全対策が適切に施されているかを確認します。
竣工するためには、これらの検査を全てクリアする必要があります。
検査に合格すると、「検査済証」が発行され、
晴れて建物が完成となります。
このように、「竣工」は、
着工から始まり、幾度もの検査を経て、
ようやく迎えることができる、
建物にとっての一つの大きな区切りと言えるでしょう。
| 用語 | 説明 | 詳細 |
|---|---|---|
| 着工 | 工事を開始すること | 基礎工事が始まった時点を着工とみなす |
| 検査 | 工事が完了した後、適切性や安全性をチェックする手続き | – 中間検査:骨組み完成段階で強度や構造をチェック – 完了検査:建物完成段階で設計図との整合性や設備の機能をチェック – 消防検査:火災発生時の安全対策をチェック |
竣工後の流れ

住宅が完成すると、施主による竣工検査が行われます。これは、施工会社が作成した設計図書通りに工事が行われているか、設備などが正しく作動するかなどを確認する大切な工程です。 竣工検査の結果、問題がないと判断されれば「検査済証」が交付されます。 この検査済証は、住宅ローンを利用する場合や将来住宅を売却する際に必要となる重要な書類です。
検査済証の交付と同時に、住宅の鍵の引渡しが行われ、施主への引渡しは完了です。いよいよ新生活の始まりです。
ただし、住宅の引渡し後も、施工会社によるアフターサービスや保証期間が設定されているのが一般的です。これは、住宅の品質を長期にわたって維持し、安心して生活できる環境を提供するためです。万が一、住宅に不具合が発生した場合は、施工会社に連絡し、補修などの対応を依頼しましょう。 施工会社は、保証期間内であれば無償で補修工事を請け負う義務があります。
また、竣工後も、定期的なメンテナンスや点検を行うことが、建物の寿命を延ばし、安全に使い続けるために重要となります。例えば、屋根や外壁の塗装、給排水管の清掃、シロアリの点検などは、定期的に行うことで、住宅の劣化を防ぎ、快適な住環境を長く保つことに繋がります。
| 工程 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 竣工検査 | 施工会社が作成した設計図書通りに工事が行われているか、設備などが正しく作動するかなどを確認する。 | 問題がないと判断されれば「検査済証」が交付される。 検査済証は、住宅ローンを利用する場合や将来住宅を売却する際に必要。 |
| 住宅の引渡し | 検査済証の交付と同時に、住宅の鍵の引渡しが行われる。 | いよいよ新生活の始まり。 |
| アフターサービス・保証期間 | 住宅の引渡し後も、施工会社によるアフターサービスや保証期間が設定されている。 | 住宅の品質を長期にわたって維持し、安心して生活できる環境を提供するため。 万が一、住宅に不具合が発生した場合は、施工会社に連絡し、補修などの対応を依頼する。 施工会社は、保証期間内であれば無償で補修工事を請け負う義務がある。 |
| 定期的なメンテナンス・点検 | 竣工後も、定期的なメンテナンスや点検を行う。 | 建物の寿命を延ばし、安全に使い続けるために重要。 例えば、屋根や外壁の塗装、給排水管の清掃、シロアリの点検などは、定期的に行うことで、住宅の劣化を防ぎ、快適な住環境を長く保つことに繋がる。 |
