ロマネスク

デザイン

重厚で荘厳なロマネスク様式の魅力

- ロマネスク様式とはロマネスク様式は、10世紀後半から12世紀にかけて、ヨーロッパ各地で広まった建築様式を指します。「ローマ風」という意味を持つこの様式は、古代ローマ建築の力強さや重厚さを彷彿とさせながらも、当時の社会状況やキリスト教信仰を色濃く反映している点が特徴です。ロマネスク様式の建築物は、まず、堂々とした石造りの壁が目を引きます。これは、当時の社会不安や外敵からの侵略に対する備えとしての役割も担っていました。また、古代ローマ建築の影響を受け継いだ半円アーチも、ロマネスク様式の特徴の一つです。天井を支えるだけでなく、建物の重厚感をさらに高める効果も生み出しています。窓は小さく、内部は薄暗くなりがちでしたが、それは当時のロウソクの灯りでは十分に明るく照らすことができなかったという事情や、神秘的な雰囲気を醸し出すための工夫でもありました。ロマネスク様式の建築物は、主に教会や修道院といった宗教建築に用いられました。人々は、その重厚で荘厳な空間に、神への畏敬の念を抱いたことでしょう。教会建築の代表例としては、イタリアのピサ大聖堂やフランスのサン・セナン修道院などが挙げられます。また、宗教建築以外にも、城塞や宮殿などにもロマネスク様式は採用され、権力の象徴として人々の目に映りました。このように、ロマネスク様式は、古代ローマ建築の要素を取り入れながらも、中世という時代背景やキリスト教文化と深く結びつき、独自の進化を遂げた建築様式と言えるでしょう。
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