住宅市場

法律

豊かな住まいを実現する「住生活基本法」とは?

戦後の高度経済成長期、日本では人口が都市部に集中し、住宅不足が深刻化しました。人々が安全で快適な暮らしを送るための住まいが十分に確保されておらず、劣悪な環境での生活を余儀なくされるケースも見られました。こうした事態を打開するため、1966年に住宅建設計画法が制定されました。 この法律は、住宅の建設目標数を設定し、計画的な住宅供給を推進することを目的としていました。その結果、住宅の数は飛躍的に増加し、統計上は住宅不足は解消されました。 しかし、住宅問題は量的な問題は解決したものの、新たな課題が浮上してきました。住宅の質や住環境、高齢化への対応、地域コミュニティの希薄化など、解決すべき問題は山積していました。人々のニーズは、ただ住む場所を求めることから、より快適で質の高い住環境を求めるように変化していったのです。 そこで、2006年、「量より質」の住宅政策への転換を図るため、住宅建設計画法に代わり、住生活基本法が施行されました。この法律は、住宅の質の向上、良好な住環境の整備、高齢者や障害者への配慮など、多岐にわたる視点から住生活の向上を目指すものです。人々が生涯を通じて安心して暮らせる社会の実現を目指し、新たな住宅政策の指針となっています。
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