土間

素材

転ばし床:低コストでできる床構造とその注意点

- 転ばし床とは「転ばし床」は、建物の構造材である「土台」の上に、床を支えるための横木である「大引き」や「根太」を直接固定し、その上に床板を張ることで作られる床構造のことを指します。 一般的な木造住宅でよく見られる「束立て床」とは異なり、床下に空間を作るための「束」と呼ばれる短い柱を用いません。このため、転ばし床は、束立て床に比べて、部材や工程が少なく、施工が比較的容易という特徴があります。そのため、工期を短縮することができ、人件費などのコスト削減にもつながります。また、床下の空間がないため、地面からの冷気が伝わりにくく、断熱性に優れているというメリットもあります。さらに、床下に収納スペースを設ける必要がない場合や、床の高さがあまり必要ない場合にも適しています。転ばし床は、これらの利点から、住宅だけでなく、店舗や倉庫など、様々な建物で広く採用されています。しかし、床下の通気性が悪くなりがちなため、湿気の多い地域では、防湿対策をしっかりと行う必要があります。また、床鳴りが発生しやすいため、施工時に注意が必要です。
Read More
間取り

懐かしさと新しさ、土間の魅力を再発見

- 土間のある暮らし 土間とは、家屋の中で床に板を張らず、地面をそのまま露出させた空間のことです。日本では古くから住宅建築に用いられてきた伝統的な様式の一つで、玄関から続く空間や中庭、あるいは部屋の一部など、様々な場所に設けられます。 土間は単なる通路ではなく、日本の生活文化と密接に関わりながら、多目的な空間として利用されてきました。例えば、土間は屋外と屋内の中間領域として、農作業の道具を置いたり、薪を割ったり、雨の日に洗濯物を干したりといった作業場として重宝されてきました。また、土間の地面は三和土(たたき)と呼ばれる、土を固めた素材でできていることが多く、優れた耐久性と調湿性を備えています。そのため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる快適な空間としても親しまれてきました。 近年では、土間の魅力が見直され、現代的な住宅にも取り入れられるケースが増えています。土間を設けることで、空間全体に開放感と奥行きが生まれ、独特の雰囲気を演出することができます。また、リビングの一角に土間スペースを作ることで、趣味の自転車を置いたり、子供の遊び場として活用したりするなど、多様なライフスタイルに対応できる柔軟な空間設計が可能になります。
Read More